2012年5月31日木曜日
写真展「どうぶつたちと、ともに生きる」
2012年6/28~7/3の5日間、『Gallery OK』さん(大阪市淀川区)で、『どうぶつたちと、ともに生きる』をテーマに、飼い主に捨てられ殺処分されていったどうぶつたちの最後の肖像を写した「どうぶつたちへのレクイエム」と、福島第一原発事故によりペットとともに新潟へ避難したご家族の姿を写した「同伴避難~家族だから、ずっといっしょに~」の2作品を同時展示する写真展を、開催させていただくことになりました(日程など詳細は一番下にあります)。
イヌやネコといった、ヒト以外のどうぶつを“家族の一員”として家庭に迎え入れる際には、たとえどんなことがあろうとも、彼らが天寿をまっとうするまでその命に責任を持つ覚悟が必要です。…にもかかわらず、現実の日本はというと、年々、減少傾向にあるとはいえ、全国で年間53,473頭のイヌと、160,134匹のネコが飼い主に捨てられ、ガス室の中で殺処分されています(平成22年度“ALIVE”調べ。処分方法は安楽死ではなく、大半が二酸化炭素ガスによる窒息死です)。
飼い主が保健所等に犬猫の引き取り・処分を依頼する理由としては、「飼い主に従わない」「引越先で飼えない」「老衰」「離婚する」「家を汚す」「イヌが病気になった」「夜鳴き」「子猫が生まれたが飼えない」など様々ありますが、どれも人間の身勝手な都合によるもの。
2011年3月11日に発災した東日本大震災および福島第一原発事故による避難の際にも、「避難先がペット禁止だから」「他人に迷惑がかかるから」「ペットの世話どころではないから」などという理由で、多くのどうぶつたちが置き去りにされ、命を落としていきました。この、『ペット殺処分問題』も、『ペット置き去り問題』も、どちらも元をたどれば原因は1つ。飼い主が、家族の一員であるはずのその子の命に、最後まで責任を持てなかったということです。
一方、原発事故後、福島県内の避難所や避難バスへのペット同伴を拒否され、行き場をなくしながらも尚、「犬も(猫も)家族だから」と彼らを見捨てることなく共に避難を続け、その命を守り抜いたご家族がいます。そして、そんなペット同伴家族を温かく迎え入れ、自治体をあげて支援を続けたのが、新潟県および新潟市。そうした新潟の取り組みについても、多くの方に知っていただき、それぞれの自治体での今後の防災対策の参考にしていただければと思っています。
本展を通じて、身勝手な人間によって命を絶たれていった子たちの想いと、未曾有の災害時においても家族によって命を守ってもらえた子たちの想い、そして同時に、ペットとともに避難した方たちが彼らから与えられている愛情や温もりを感じていただき、“家族の一員”としてペットとともに生きることの意味や責任について、今一度、考えていただくきっかけになればと願っています。
私事になりますが、“殺処分が0になる日まで伝え続けたい”との思いから「どうぶつたちへのレクイエム」の巡回写真展を始めた1998年から、早14年がたとうとしています。当初、年間70万頭を超えていた犬猫の殺処分数は、動物愛護意識の高まりとともに現在では約20万頭にまで減少し、行政や民間における「捨てられた命を救う(犬猫の譲渡)活動」も活発化してきています。とはいえ、未だゴミのように捨てられ処分される数多くの命が存在することもまた事実です。そして、この問題の元凶は、飼い主の「無知」「無関心」「無責任」ではないかと感じています。
この間、全国各地の賛同者様のお力を借りて写真展を開催して参りましたが、私自身が主催して大阪で展示させていただくのは、約7年ぶりのことになります。捨て犬・捨て猫の問題や、殺処分の現状については、未だご存知ない方も多く、この機会に改めて広く皆様に知っていただき、問題意識を共有していただければと思っています。また今回は、昨年、出版させていただいた「同伴避難~家族だから、ずっといっしょに~」収録作品との併設展示で、いざとう災害時のペット同伴避難に備えるために必要な意識や知識についても、伝えていければと思っています。この機会に1人でも多くの方に足をお運びいただき、「家族として、どうぶつとともに生きる」とはどういうことなのか、一緒に考えさせていただく場にできれば幸いです。 児玉小枝
<日時> 2012年6月28日(木)〜7月3日(火)
11:00〜17:00(最終日は15時迄)
<場所> Gallery OK (ギャラリー・オーケー)
(大阪市淀川区十三本町1-11-17/電話:090-5042-1484)
<交通> 阪急「十三」駅 西口より徒歩3分(近隣に有料コインP有り)
<協賛> Gakkery OK(ギャラリー・オーケー)
<入場> 無料
☆本展に関するお問い合わせは、児玉小枝(s-kodama@dp.u-netsurf.ne.jp)までお願いします。展示期間中は終日、ギャラリーにいる予定です。
2012年5月19日土曜日
大阪中央市場の放射能検査説明会
5月18日(金)、『放射能から子どもを守る会・大阪市福島区』さんの主催で、大阪中央市場見学会&放射能検査や食品衛生に関する説明会が開かれ、私は後半の説明会に参加、取材させていただきました。会は、市場の業務管理棟2Fにある食品衛生検査所で開かれ、お子さん連れのお母さんも含めて十数名が参加、スライドを使っての職員さんの話しに熱心に耳を傾けました。
市場で通常使用しているという鉛製の放射能測定器(シンチレーションスペクトロメータ。約200万円。5カ所の保健所を含めて市内に8台を配備)では、この4月から新たに設けられた,国による放射能の安全基準(100bq(ベクレル)以下)に基づいて、市場で扱う食品の抜き取り検査を行っているとのこと。74bqが検出された霞ヶ浦(茨城県から千葉県に広がる湖)産のワカサギも、100bq以下という基準を満たしているため流通しているとのこと。また学校給食についても、各学校や業者が独自の検査や規制をしない限り、同様の基準で食材として使用されるとのこと。職員さんの、「日本の100bqという基準は世界一厳しいんです」との言葉に対し、お母さんたちから「子ども(が口にする食品)の基準は、ドイツでは4bq、ウクライナでは37bq。日本の規制が厳しいと思っておられるようですが、それは違います。100bq以下であっても、子どもたちに食べさせたくないんです」との声があがり、職員の方が「そうなんですか…それは知りませんでした…」と自らの勉強不足ぶりを素直に認める一幕も。3.11.以降、新たに加わった職務として食品の放射能検査に携わる市職員と、子どもたちの命を守ろうと日夜、勉強を続けるお母さんたちとでは、知識・情報の質や量に大きな差があるようだ。
一方、職員の方も「100bq以下基準」に全く疑問を感じておられないわけでもないようで、特に“発生毒性”(妊娠中の母体にある物質を投与した時に、胎児に対して形態的、機能的な悪影響を起こさせる毒性)については注意が必要と指摘。個人的な意見として、「赤ちゃんがお腹にいて激しく細胞分裂している時期が一番、神経を使わないといけない。生まれていない子ども(妊婦さん)は東北産などの食品は敬遠された方がいいのでは」ともコメントされていました。 こうして日々、私たちの口に入る食品の放射能検査をされている現場の職員さんと,民間の個人や団体が連携して、より安心・安全な食品流通のシステムを作って行ければいいのになぁと感じました。
市場で通常使用しているという鉛製の放射能測定器(シンチレーションスペクトロメータ。約200万円。5カ所の保健所を含めて市内に8台を配備)では、この4月から新たに設けられた,国による放射能の安全基準(100bq(ベクレル)以下)に基づいて、市場で扱う食品の抜き取り検査を行っているとのこと。74bqが検出された霞ヶ浦(茨城県から千葉県に広がる湖)産のワカサギも、100bq以下という基準を満たしているため流通しているとのこと。また学校給食についても、各学校や業者が独自の検査や規制をしない限り、同様の基準で食材として使用されるとのこと。職員さんの、「日本の100bqという基準は世界一厳しいんです」との言葉に対し、お母さんたちから「子ども(が口にする食品)の基準は、ドイツでは4bq、ウクライナでは37bq。日本の規制が厳しいと思っておられるようですが、それは違います。100bq以下であっても、子どもたちに食べさせたくないんです」との声があがり、職員の方が「そうなんですか…それは知りませんでした…」と自らの勉強不足ぶりを素直に認める一幕も。3.11.以降、新たに加わった職務として食品の放射能検査に携わる市職員と、子どもたちの命を守ろうと日夜、勉強を続けるお母さんたちとでは、知識・情報の質や量に大きな差があるようだ。
一方、職員の方も「100bq以下基準」に全く疑問を感じておられないわけでもないようで、特に“発生毒性”(妊娠中の母体にある物質を投与した時に、胎児に対して形態的、機能的な悪影響を起こさせる毒性)については注意が必要と指摘。個人的な意見として、「赤ちゃんがお腹にいて激しく細胞分裂している時期が一番、神経を使わないといけない。生まれていない子ども(妊婦さん)は東北産などの食品は敬遠された方がいいのでは」ともコメントされていました。 こうして日々、私たちの口に入る食品の放射能検査をされている現場の職員さんと,民間の個人や団体が連携して、より安心・安全な食品流通のシステムを作って行ければいいのになぁと感じました。
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