《 身寄りのない独居の高齢者が倒れたあと、
『家に犬が残されている』と、
地域のケースワーカーから連絡が入り、
私たち職員が犬を引き取りに行くこともあります。
この子を保護しに行ったときも、そんな状況でした――」
収容房の近くを誰かが通るたび、
施設じゅうに響きわたるほど大きな声で
鳴き続けていたこの子は、
12歳のラブラドール・レトリバー。
「独り暮らしをしていた高齢の飼い主さんは重度の認知症で、
犬の世話ができる状態ではなく、緊急入院。
散乱した部屋に残されていたこの子もガリガリに痩せ、
自力では立ち上がれないほど衰弱していました……」》
(文、写真ともに拙著「老犬たちの涙」(KADOKAWA刊)より)
……どうか知ってください。
老犬たちはなぜ、行政施設の檻の中に収容されなくてはならなかったのか。老犬たちはどんな想いで、そこに居たのか。どうすれば彼らの“いのち”と“こころ”を守れる社会が実現するのか。
今回が15回目となる巡回展。26日まで三好市の「阿波池田うだつの家・たばこ資料館」にて。主催してくださるのは徳島県動物愛護推進員有志の皆さん。四国での開催は高松、愛媛に続いて3回目となります。
本展を通じて、どうか一人でも多くの方の心にメッセージが届きますように。
詳細は、添付のチラシをご覧ください。