『 高齢で体が弱ってきたうえに、認知症を患い、
部屋を徘徊したり、トイレを失敗してしまうようになったこの子を、
老夫婦は、動物病院に通院させながら、介護していたそうです。
やがて自分たち自身の病気や入院が重なり、充分な世話ができなくなってきます。
「わたしたち以外にこの子の世話ができる人はいないし、
これ以上、この子にしんどい思いをさせるのも……」
そう考え、かかりつけの病院に安楽死処置を依頼するも断られ、
最終手段として、ここに連れてきたのだといいます。
「ここに置いていけば、
この子は殺処分されることになります。
それでもいいですか?」
「はい、お願いします」』
(写真・文/拙著「老犬たちの涙」(KADOKAWA刊)より)
ーーこうしている今も、日本全国の行政施設には、さまざまな事情により飼い主との別れを余儀なくされた老犬たちが日々、収容され続けています。
すべての老犬が、愛する家族に見守られながら天寿をまっとうできる日本にいつかなるよう、本書および本展が、その一助となれるよう、心から祈っています。
東京で初開催となる写真展「老犬たちの涙~“いのち”と“こころ”を守る14の方法~」は8月23日(月)~29日(日)まで(水木は休み)、下北沢「BOOKSHOP TRAVELLER」にて。ご来場の際はマスク着用など感染拡大防止へのご協力をお願いいたします。詳細は、主催してくださる「タカラ~ムの本棚」
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